2025年4月 建築基準法が変わります

ブログ, 家づくり

2025.01.15 (水)

どうして法改正するの?

省エネ対策を加速させるためです。

近年の地球温暖化に伴う気候変動の激しさは予想をはるか超えて身近に迫っています。世界が一丸となって取り組まなければならないはずですが、陰謀論者や一部の国では・・・。

ともあれ、我々日本人は粛々と地球温暖化を喰いとめるために使用するエネルギーを減らすことが課題となっています。

 

 

    

何が、どう変わるの?

大きな点は省エネについてです。現在、一般的な住宅には省エネについて適合義務がありませんでした。(数字目標の説明や意思の確認の義務が設計士に課されていましたが)その代わり、省エネ住宅に対して補助金や税金控除などを付し、省エネ化の普及をはかってきました。しかし、今年4月着工の物件から、省エネの基準に適合するよう義務付けされます。以前より予告されていましたが、いよいよ「きちんとしましょうね」という感じです。

 

その他に、住宅の構造に関することや手続きに関しても法改正があります。

理由はやはり省エネです。

省エネ基準を満たすため建物がどんどん重くなってきています。さらに太陽光発電の普及を促進するためにも建物を丈夫にする必要があります。また、優良な住宅を増やすため今まで届け出だけで済まされていた地域の住宅にも、「確認申請」という手続きが必要になります。

 

業界は以前よりざわついていますが、一般消費者にも影響が大きい法改正なのです。

 

 

 

困る人、得する人?

住宅購入を検討される方にとっては、建材価格の高騰に加え省エネ基準に適合させるための費用が上がることが予想されます。しかし本来お客様のためを思えばレベルの低い住宅はお勧めできません。健康にもよくない上に資産価値もさがります。長い目で見れば、高い基準に適合させるべきです。今まで、高性能の住宅を建設してきた会社にとっては、なんら変わらず今まで通りの住宅計画で良いのですが、低コスト住宅をうたっていた建設会社にとってはノウハウも乏しく大変な状況に陥るでしょう。

また、都市計画区域外の建物には、いままで「確認申請」という手続きが不要でした。なので、本来守るべき法律を無視し、建物が建てられているのが現実です。今後、これらの建物を改築・増築する際には適合義務が発生します。(改修の規模によります)そうなると、さらに厄介な手続きが増えることが予想されます。リフォーム業者さんにとって手続きが大変になるのです。

本来、都市計画区域外の建物であっても法律は守られているはずものなので、まじめに取り組んできた業者にとっては、こちらもそれほど影響がないはずです。

 

これから住宅購入や増改築を検討される方にとっても、安さよりも「きちんとした」業者さんを選ばれる方がメリットがあります。法は徐々にレベルの高い基準になります。黙っていても新築建物より性能が劣っていくのはしかたのないものです。しかし、少子高齢化で建物が余っている現在において建物の価値をできるだけ高くすることは、後継者のためにも望ましいことではないでしょうか?

 

 

 

そのリフォーム、大丈夫?

そのリフォーム大丈夫?と業界内でもザワザワしております(笑)
主要構造部の過半=1/2を超える修繕や模様替え(取替)に関しては、「確認申請」という手続きが必要となるためです。これを超えると法に適合してますよね?という「確認」をするための申請が必要になります。省エネルギー的にも、構造的にも法に適合させる必要があるのです。
え!屋根替えも?と、業界内ざわつきましたが、屋根葺きに関しては緩和があります。

 

※窓は主要構造部ではありません。

(主要構造部:壁・柱・床(最下階は除く)・梁・屋根・又は階段 )

 

 

2025年の補助金

新築住宅に対しては新たな補助金(GX志向型住宅で160万円)が打ち出されました。しかし、さらにレベルアップされた要件になりそうです。昨年まで最大限支給されてきた「長期優良住宅」や「ZEH」の住宅にはそれぞれ80万円(+解体20万)、40万円(+解体20万)と減額され、さらに「子育て世帯」という要件が付きました。

そのほかにも、省エネへのリフォームにの補助金も継続されそうですね。

 

住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案を閣議決定

住宅省エネキャンペーンにおける3省連携(新築・リフォーム)[PDF 214KB]

 

新築はどんどんレベルが上がりますし、今後の値上げ予告の建材も見受けられます。つまり建築費はますます高くなりそうです。

 

住宅のリフォームに対しても補助金があります。

前述したように、リフォームも法改正で手続きが増えたりと大変ではありますが、当たり前のことを当たり前に行っている業者であれば、何も問題ないはずです。

 

 

 

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PS、 

最近めっきり寒さを感じます。北海道生まれだから、寒さは平気だとか雪道にも強いだとか思われることがありますが、全然弱いです。きっと平均値よりも弱いです。

地球全体の温暖化の問題より、実際の暑さ寒さの方が身に染みて危機を感じています。

みんなで団結して、次世代のために地球を救いましょう!