既存住宅を保育園に

ブログ, 仕事のこと

2017.01.29 (日)

 以前、住宅から保育園への用途の変更と増改築のお手伝いをさせていただきました。広めのお宅を購入し先に改修のみをどこかの工務店さんが行っていたものです。保育園としての機能は十分はたしていたのですが、法規制にはのっとっていなく、いざ認可保育園へ移行する手続きを行おうとして市も気が付いたようです。先の改修では幼児を守るための建物には変わっていなかったのです。

 

  〇住宅を保育園にするために気を付ける点。

 

 1.避難面。2階にある程度の広さの保育室がある場合は、二方向から逃げられるようにします。または一時的に救助を待つことができるベランダなどで代用できる場合もありますが、つくりや他の条件もあります。そして誘導灯や非常照明が必要になります。他にも煙を逃がすための窓又は設備が必要です。いずれも物件によります。というのも燃えにくいつくりにすると、緩和される点もあるからです。

 

 2.構造。工事の範囲が大規模になると構造も現行法に則ったものにする必要が出てきます。工事が大規模になる分かれ目になってきます。(幼児の安全性を考えると耐震診断も必要だと思いますが)建築基準法の中にいろいろ数字が出てきますが、住宅と保育園ではなにかと違っていたりするので、保育園として使うことができる建物かどうかあらかじめ建築士に相談することが望ましいでしょう。

 

今回のように工事業者が機能面だけ工事をしてしまい、結局何度も工事することになってはもったいないです。また、保育中に工事をしなければいけない場合は、仮使用の許可も得なければなりません。幼児にもしものことがあってはいけないので当然かと思います。

 

 建物は用途によってキマリも違ってきます。簡単に考えては余計な費用や時間がかかってしますことになりかねないですし、子供たちを守るためにもきちんとした保育園にあずけたいですよね。

 

 こちらの物件は、更に、途中から、途中からです。急傾斜危険地域にも該当してしまい本当に苦労しました(笑)。「それがお前たちのやり方かー!」というきぶんでした。しかし、現地調査や打ち合わせに行く度に感じる子供たちのパワーに「頑張ろう!」と思ったものでした。なつかしい・・・。